【渋谷区 M邸】
~物件探しからリノベーションまでをお手伝いした事例です~
ーデュアル・メインルームという考え方ー
空間としては構造として計算されている壁がいくつかあり、可変性が低い状態でした。
当初の配置されていた寝室の間は壊せるものの、キッチンとリビングの間にも壊せない壁があり、
一体感を持たせる事が少し困難ではないか。という議論になりました。
そこで空間に対しての考え方を、二つの大きな空間と仮定したところ
ホテルのスイートルームのような、書斎とベッドスペースが同一空間にある空間が、
お施主さんのライフスタイルにとてもしっくりきました。
日本の新築文化の基本形は、「いかに細切れ空間を多くつくるか」という考え方。
今回の家はその逆を突き進み、要素を分解しすぎず、
緩やかな関わりを持ちながら「プライベート」と「パブリック」のみに分類しています。
壁に使用している塗料は、プラスター・オブ・パリス(パリの石灰)。
見る角度により濃淡が変わる世界に二つとして同じものが存在しない壁からは、表情豊かな美しさがよく分かります。
窓先に佇む植栽の緑陰と非常に相性も良く、
それぞれの要素が相乗効果を生み出したヴィンテージマンションとなっています。