【杉並区 M邸】
~物件探しからリノベーションまでをお手伝いした事例です~
ご夫婦のお施主様から、リノベーション計画当初に出た言葉は「床にゴロゴロと寝転がりたい」というものでした。
くつろぐという言葉は少しファジーですが、それを自分たちなりに噛み砕くと、
「何も考えずに身も心も解放されること」=「床でゴロゴロ」という表現になりました。
そんなご要望を受け私たちは、家族内で最も長い時間を過ごすリビング空間で、大胆にゴロゴロできる状況を提案しました。
それが、リビング=畳という考え方です。
国産杉という、足触りが柔らかい針葉樹と、旅館で使用されるような琉球畳で、ついつい床に座りたくなる空間に仕立てます。
杉はその足触りの良さや柔らかさから、体への負担も少なく、
ゴロリと転がったときの 畳からフローリングへの気持ちの良い質感の変化が、癖になっているようです。
壁面には、ご友人とともに、お施主様ご自身の手でポーターズペイントを塗りました。
大理石の粉末が入った塗料を専用の刷毛で塗装することにより、
壁面に当たった光が、美しいマットな陰翳を生み出し、空間をより豊かにしてくれています。
フローリングは柿渋色に染色、建具はラワン材を使い、どこか懐かしい雰囲気を醸し出しています。
スペックから考える空間だと、なかなか思い切った発想にはならないかと思いますが、
自分たちがどう言ったことにくつろぎを覚えるのか?
また、それは暮らしの中でどう言ったタイミングなのか?
そんな会話の中で 本質的に自分たちらしい暮らしが形になっていくと思います。
これが中古×リノベーションだから叶えられる、本当の意味での「家つくり」です。