物件探しからリノベーションまでをお手伝いした事例です。
京町屋の「通り庭」を参考にしたこのプランは、
「廊下は極力小さくし、居室面積を出来るだけ大きくとりたい」という
昨今よく耳にする流れとは一見反するように感じます。
しかしこの「通り」は、キッチンの一部にも、リビングの一部にも、
玄関の一部にもと複数の機能を許容する柔軟さを持ち、
ひとつの大空間をつくるよりも、家全体の広さを活かしています。
フローリングの流れに誘われるように視線をうつしていくと、窓の外には開放的なルーフバルコニー。
玄関と通りが繋がっていることで、
お部屋の複数の場所から外の気持ちよさを感じられるようになっています。
玄関扉を開ければ、華奢なフレームにこだわったガラス戸がお部屋の顔として出迎え、
ガラス戸越しには探し回って出会った食器棚にお気に入りの食器たちが並びます。
対面するのは素材の組み合わせを大切にしたキッチンカウンター。
キッチンに立てば隣の部屋で遊ぶお子さんの様子が垣間見え、調理した食事をダイニングに運べば、
一目惚れしたソファや照明、その先に気持ちの良いルーフバルコニーが目に入ってきます。
どの場所も眺めていたくなるこの部屋を、少しずつお気に入りのものを増やしながら愛でる日々が
I様の暮らしを豊かにしてくれることと思います。