【三鷹市 M邸】
~物件探しからリノベーションまでをお手伝いした事例です~
30代ご夫婦のお施主様からリノベーション計画当初に出た言葉は、
「床にゴロゴロと寝転がりたい。」というものでした。
くつろぐという言葉は少しファジーですが、それを自分たちなりに噛み砕くと、
ご家族それぞれで実に様々な「状態」が見えてきます。
このご家族は、「何も考えずに身も心も解放されること」=「床でゴロゴロ」という表現でした。
そんなご要望を受け、私たちは、
家族内で最も長い時間を過ごすリビング空間にて大胆にゴロゴロできる状況を提案しました。
それが、リビング=畳という考え方です。
国産杉という、足触りが柔らかい針葉樹と、旅館で使用されるような琉球畳で、
ついつい床に座りたくなる空間に仕立てました。
杉はその足触りの良さや柔らかさから、体への負担も少なく、
ゴロリと転がったときの畳からフローリングへの気持ちの良い質感の変化が癖になっているようです。
壁面には、ご友人とともにお施主様ご自身の手でポーターズペイントを塗りました。
大理石の粉末が入った塗料を専用の刷毛で塗装することにより、
壁面に当たった光が美しいマットな陰翳を生み出し、空間をより豊かにしてくれています。
フローリングは柿渋色に染色、建具はラワン材を使い、どこか懐かしい雰囲気を醸し出しています。
単にリビングは何畳、個室は何畳、と言う様なスペックから考える空間だと、
なかなかここまでの思い切った発想にはならないかと思いますが、
自分たちがどう言ったことにくつろぎを覚えるのか?
また、それは暮らしの中でどう言ったタイミングなのか?
そんなことを会話していくことでこそ、 本質的に自分たちらしい暮らしが形になっていくと思います。
これが、中古×リノベーションだから叶えられる、本当の意味での「家づくり」です。