■設計CONCEPT
東京都目黒区の築18年のマンションの一室、広さ約61㎡のリノベーションプロジェクト。
共用廊下に面する個室と玄関から続く長い廊下で構成されるごくありふれた1LDKの間取りから、
必要最低限の収納家具と間仕切・扉を残してワンルーム化を図りました。
真ん中の「白い島」は、造り付けクローゼットの家具と扉部分だけを残し、
新たに曲面壁を継ぎ足してパントリースペースとしたもの。
寝室とLDKを緩やかに仕切り、ワンルーム空間での拠り所となっています。
コストと意匠を踏まえて天井コンクリートと壁モルタルはできる限り現しに、
その他は近似素材としてフレキシブルボード貼りとしました。
既存の浴室、洗面台、キッチンを活かし、天井・壁の撤去を主とした引き算のデザインでローコストを実現しながら、各素材のテクスチャーや色味、天井面に出現した設備配管類の整理など、
丁寧な設計を重ねることで端正で上品な空間を実現しました。
■NENGO工務店こだわりポイント
厚み3mmのフレキシブルボードは、伸縮やそりもあるセメント系の材料です。
フレキシブルボードを仕上げとして既存の下地に貼っていく作業がメインであり難所でした。
ただ貼っていくだけでなく、割付、貼り方向、出隅のかちまけなど、
貼り直しができない素材だけに、慎重に確認しながら進めていきました。
お施主さまのポーターズペイントのセルフ塗装は、
天井の躯体や床のカーペットなど各素材とのバランスを吟味してカラーを選んでいます。
既存の収納や建具もペイントにより全体と調和され、今後のペイントの可能性もみせてくれました。