武笠陽一

賃貸なのにここまで思い通りに?
コーポラティブヴィレッジで実現した
理想の空間とライフワークへの助走

INTERVIEW / 03
株式会社COLORFULLY 広告制作プロデューサー
munimal cafe オーナー
尾形 光也さん

”水がある場所が好き”
シェアハウスなど、複数の賃貸物件を渡り歩いて
行き着いた理想のかたち

家を買わないとできなかったこと。そして、それ以上のことを賃貸で。
“「住む」「遊ぶ」「働く」 をもっと自由に、もっと楽しく”をコンセプトにした、全13戸の賃貸型コーポラティブヴィレッジプロジェクト「トカイナカ暮らしのススメ」。こちらで、土日にカフェ経営をしながらお住まいの尾形さんに、入居前までのプロセスや、将来のビジョンへ向けたこの物件との付き合い方について、いろいろお話を伺いました。

尾形さんはこのコーポラティブヴィレッジのプロジェクトとは、もともとどのような接点が?元弊社スタッフからの紹介だとお聞きしています。

そうですね、Kさんとは、私がここに越してくる前に住んでいたシェアハウスと、さらにその前のシェアハウスからの付き合いで笑
最初は「好きそうな物件があるよ」と連絡をもらったんです。営業かな?とも思いながら見てみたら「あ、好きだわ」ってなったのが、興味を持ったきっかけでした。

photo:彦根 藍矢

なるほど!じゃあけっこうパースイメージとかから、ご自身のここで実現したいビジョンがかなりくっきりとイメージできたのですね!

パースイメージとかは当時まだなくて、簡単なイメージイラストと資料がある程度でした。私が広告制作プロデューサーとして勤務している会社は副業を推進しているのですが、個人的にカフェをやりたいと以前から思っていて。そのイメージイラストからは、お店も併設できそうなことが分かったことと、コーポラティブというスキーム自体がやはりとても魅力的だったことから、気持ちは割とすぐに固まりましたね。もともと建築が好きだったので、賃貸なのにここまでできるのか!と驚きました。

では、もともと建築やシェアハウスに関心をお持ちだったからこそ、このコーポラティブヴィレッジというスキームの魅力をすぐに理解してくださったわけですね。

そうですね。私は文化服装学院出身で、その後DCブランドへ入社、学生時代から就職後も並行して14年間バンド活動をやっていたりしたので、まわりにクリエイティブ畑の人が多く、そんな環境だったので建築は気づいたら好きでした。
シェアハウスについては、昔「ブレーン」(雑誌)で、シェアリングエコノミーの特集を読んで、その時からシェアするのっていいなっていうのがありました。
でも、いわゆる一軒家を間仕切りでシェアハウス化したようなものは、プライバシーの境界線が曖昧になりそうだし抵抗があったのですが、以前住んでいた「ソーシャルアパートメント」と呼ばれる規模のものは、ほどよい距離感があって気に入って長く住んでいましたね。
でも、以前飼っていたキャバリアをまた飼いたいと思っていて、ペット可の物件を検討していたところ、こちらのコーポラティブヴィレッジのことを知りました。

なるほど!たしかに尾形さん自身ずっとクリエイティブ畑でいらっしゃって、このカフェの空間からもそうしたセンスをとても感じます!これも昔からやりたいという構想をお持ちだったのですか?

ぼんやりとはあったのですが、いつまでにとかはなかったですね。
もともと彼女がコーヒー好きだったことがきっかけで、ぼくも好きになったくらいだったのですが、このコーポラティブヴィレッジに住むことを決めて現実的になった、といったところです。

世田谷区・宇奈根というこのエリアについては、どのようなイメージをお持ちですか?

成城エリアに住んでいたこともあるので、始めは、なんとなくあのへんのエリアのことだよな、というくらいの理解でした。
正直、徒歩で考えると駅から近くはないですが、バス停も近いですし、もともと自転車が好きなので移動はそれほど苦にならないどころか、ここからだと成城方面も二子玉川方面も出やすいし、あとはなによりこのロケーションですね。ぼくは水のある場所が好きで、こうして目の前に野川が流れているこの立地がとても気に入っています。

それも分かった上で元弊社のスタッフがご提案したのかもしれないですね。

ぼくが川が好きだから、みたいな話まではしなかったのですが、担当の方が丁寧に水害リスクのことや国分寺崖線のことや歴史のことなど、教えてくださいました。何度も私のところへ足を運んでくださって、いろんな説明を受けて、コミュニケーションをすごく大事にされている会社だなと安心感がありましたし、こういう街をつくっていきたいという想いに共感したことが、決め手として大きかったですね。

そのように言っていただけて嬉しいです!ご成約後のコミュニケーションはいかがでしたか?

かなり満足していますよ!新築でここまでこだわっていいのにこれが賃貸!に尽きますね。
仕上がりについてはもちろん、壁紙の選択肢の中に私の希望がなくて、ショールームへ行って変更させてもらいました。もともとの選択肢外のものを選んだことでオプション料金はかかっていますが、ここまで思い通りになるコストとしては安いという感覚です。
けっこういろいろわがままやこまかい注文しちゃったな〜と思っていたのですが、あとで聞くとほかの(このコーポラティブヴィレッジ入居者の)みなさんも、かなり注文されていたみたいですね。スタッフさん大変だったんじゃないかな笑

担当スタッフも、たしかに大変だったけど完成したときの達成感がとてもあり、この宇奈根の土地に愛着を持ったみたいで、本人もいまこのコーポラティブヴィレッジの近くの区画に住み、一緒に草刈りしたりなど、コミュニティの一員となっています笑

photo:彦根 藍矢

尾形さんのこの先の人生やこのカフェのビジョンについて教えてください!

これはNENGOさんに言っていいのか分からないのですが、ぼくは将来的にもう少し田舎で暮らしたいと思ってて、ここはそのためのクッション的な立ち位置と捉えています。やっぱり水があるところが好きなので、海の近くとか。
いまはこの川の近くで、実際に自分の理想に近い家をつくってみて、ステップとしてはとても満足しています。カフェの事業もうまく軌道に乗ってきたら民宿とかそういう事業展開もいいなあと思ったり。
理想の家はその人の人生の中で2棟目でやっと達成できる、なんて言ったりしますが、その1棟目をまさにここで経験させてもらったなと感じています。
いろんな意味で、人生のステップアップのためのよい機会をいただきました。