5月16日-31日にて実施していたASUKI SHIRAISHI個展『RAIN 記憶の循環』を記念して、五感でアートを体験する特別なイベントを開催しました。
前半は、アーティスト・ASUKI SHIRAISHIによる木炭ドローイング体験。
テーマは、「雨は天からのメッセージ。雨に返事を出してみよう。」ただし文字も形も描きません。大きな模造紙に「線」を描き重ねていきます。


濃くしたり薄くしたり。太く描いてティッシュでぼかして、またその上に描いて。大人も子どもも一緒に、体全体を使って思うままに線を紡紡いでいきます。
参加者の顔は真剣そのもの。しんとした静かさの中に、それぞれの意識が連なっていきます。
こちらができあがった“雨へのレター”。作品を前に語り合う参加者の皆さんの姿はまさにアーティストそのものでした。


続いて音楽とダンスの即興パフォーマンスは打楽器のジャンベ・ハンドパン、DJ、そしてコンテンポラリーダンスのコラボレーションで。即興ならではの迫力に、会場が包み込まれていきます。
後半はペイントショールームをコトづくりの場として開く可能性についてのトークセッションです。
(左)丸山祐樹(まるやま・ゆうき)
まちと人、表現と実験の交差点に立ち続ける企画者/プロデューサー。ten / YMP inc.を拠点に、多様な地域や分野でプロジェクトを展開している。
(中)山口 円(やまぐち・まどか)
PORTER’S PAINTS JAPANマネージャー。色と質感の力で空間づくりの価値を広げることに注力し、全国ネットワークを活かしたペイント文化の普及に努める。
(右)ASUKI SHIRAISHI(アスキ・シライシ)
東京藝術大学卒のアーティスト。伝統的な日本の情緒と現代アートを融合させた作品を制作し、観る者の意識変容を促す表現を追求している。
高津にオープンしてもうすぐ1年になるペイントショールームをこれからもっと地域やアートと仲良くなる空間にしていきたい。
「もともとこの場所は、建築家の方々にリアルな塗装を体験をしていただくために作りました。もちろんそうしたプロ向けのイベントもそうですし、今回のように感性を刺激するイベントを通じてもっと幅広い層に開かれた場にしていきたいと思っています。」山口氏はショールームの今後の活用可能性についてこう語りました。

丸山氏は「今回の個展も含めて、このショールームは普通のギャラリーとは違うのが特徴ですよね。新しいタイプのアートスペースとしての価値を感じます。」と話します。これからの暮らしを想像したり住まいを体感したりする場所で展開する表現活動には、作品単体では成しえない化学反応が期待できます。

若手アーティストの個展ディレクションの経験もあるASUKI SHIRAISHI氏は、この場が彼らへの機会提供の場にもなる可能性に言及して「適切なディレクションを加えれば、アートに限らずプロダクトをテーマにした展示も面白くなると思います。」とコメントしました。

今回のトークセッションではペイントショールームが塗装の展示や実演にとどまらず、クリエイティブな取り組みの拠点として発展していく可能性を感じられました。今後もこの場所を積極的に活用し、多様な表現や交流の機会を生み出していきます。
ーーー
イベント概要
ASUKI SHIRAISHI 個展『RAIN 記憶の循環』アートイベント
2025年5月24日(土)14:00~19:00
PORTER’S PAINTS JAPAN 日本総代理店ショールーム
神奈川県川崎市高津区溝口3-2-5 BOIL2F
主催:fooop株式会社
イベントの詳細はこちら
https://nengo.jp/news/2025/04/asuki/
ーーー