「古い=安い」を超えて、9年後に見えた賃貸のあり方<br>プローテ二子玉川 リノベーション見学会レポート
2025.09.25

「古い=安い」を超えて、9年後に見えた賃貸のあり方
プローテ二子玉川 リノベーション見学会レポート

イベント

 

築57年のプローテ二子玉川。竣工当時の状態だった一室を新たにリノベーションし、見学会を開催しました。現代的で整った、まさに二子玉川らしい装いの賃貸物件です。

2016年にNENGOが一棟まるごとリノベーションをお手伝いして、もう9年になります。
参加者さまの中には、リノベーション当時を知る方も。当時を振り返りつつ「懐かしいな」とつぶやきます。


昭和43年、郊外の二子玉川に

1968年、この建物は「吉岡マンション」として竣工しました。当時は二子玉川園、高島屋、競馬場が完成し、賑やかな郊外として注目され始めた頃。住宅ニーズをいち早く満たす小世帯向けのマンションでした。


(引用:二子玉川ライズ https://www.rise.sc/whatsrise/history/


平成28年、現代の二子玉川にあるべき賃貸マンションへアップデート

竣工当初は一般的な賃貸マンションでは無断熱が当たり前でしたが、2013年には省エネ性能の指標が整えられ、賃貸物件でも断熱性能は準備期〜移行期にありました。また、賃貸物件はビニールクロス・同じ間取りの積み上げが、効率よく低コストで建設するための「ふつう」でした。

建て替えを予定し、新規入居者の募集を取りやめていた吉岡マンション。建物だけではなく、街の価値もより一層上げていくために、より快適で、質を高くすることが可能なリノベーションをご提案しました。2016年当時は珍しい賃貸物件でも、それがこの街にとってのふつうになるように、私たちは次世代の居住ニーズを読み込んだ挑戦的な試みを打ち出しました。

壁面と窓の断熱性能を向上し、内外壁に塗装仕上げを施しました。さらに、入居が決まった後、入居者さまが間取りや床材をカスタマイズできる「仕立てる賃貸」のスキームを採用。

オーナーさまにとっては入居者が決まった状態でリノベーションに取り掛かることができ、入居者さまにとっても自分好みの賃貸物件に住むことができるという双方にとってメリットがあるリノベーションの手法です。

吉岡マンションは、地域のニーズを捉えなおし、先を読んだ物件「プローテ二子玉川」として生まれ変わったのでした。


令和7年、賃貸でも古くても価値がある

それから9年。
2016年以前のままであった一室を、ご退去を機にリノベーションさせていただきました。設計は2016年のリノベーション当時と同じく、しかし住宅設備を更新するなど、過去から未来に引き継ぐ施工を行いました。

 

また、2016年のリノベーションから9年間住まれていた別室も見学。リノベーションのその後を見ることができました。

部屋には軽い傷や汚れがあるものの、9年もの間、とても丁寧に使われていました。内壁に採用しているポーターズペイントは、塗装の上から塗り重ねるタッチアップが可能な仕上げで、壁の擦れや汚れは部分的に塗り直すことで回復できます。

感度の高い人に選ばれて大切に住まわれ、住んでいない人も「あの物件、住んでみたいんだよね」と噂される。そんな唯一無二のお住まいになっています。

 


9年を経て分かったのは、賃貸マンションでも「快適さ」と「質」を求めるニーズは確実に存在するということ。2016年に掲げた私たちの挑戦は、今なお共感いただいていることを確認できました。

「古いほど安い」という住宅の常識は変わりつつあります。物件や街の独自性、希少性により、古くても注目される価値ある物件は存在します。

プローテ二子玉川は、ポーターズペイントと仕立てる賃貸のスキームが独自のものとして注目されました。当時は希少だったかもしれませんが、奇をてらった建物をつくるためではなく、住む人も貸す人も幸せにするために打ち出したスタイルでした。そんな建物がふつうになれば、人々はその街で「住みたい・遊びたい・働きたい」と魅力を感じるようになり、価値ある街と呼ばれると私たちは考えています。

NENGOはこれからも、物件と地域の独自性をいかし、入居者さま・オーナーさま双方にとって幸せな家と街つくりを進めてまいります。


開催概要
プローテ二子玉川リノベ見学会 -1棟でできること、 1戸でできること-

日程:9月13日(土)
場所:東京都世田谷区玉川
主催:株式会社NENGO(NENGO工務店、おんぼろ不動産マーケット、PORTER’S PAINTS)
詳しくはこちら
https://nengo.jp/news/2025/08/0913-proute-event/