NENGOスタッフが働く上で大切にしている“ism(イズム)”を聞く、NENGOスタッフインタビュー。
今回お話を伺ったのは、NENGO工務店の阿部圭太郎さん。
2025年に中途採用にて入社し、施工現場の管理や先輩のサポート、見積もり業務などに取り組まれています。

阿部圭太郎 NENGO工務店/現場監督 2025年入社
―では早速ですが、阿部さんが仕事をするうえで大切にしていることはなんですか?
仕事で大事にしていることは、「常に下から行く」ことです。どんな相手に対しても、自分は教えてもらう立場だという意識を持つようにしています。
―なるほど。阿部さんはとても丁寧で印象がいいとよく伺います。「下から行く」というのは、お施主さまに対してという意味ですか?
お施主さまもそうですし、建築家さまもそうですね。建築家さまの方が知識が豊富な場合も多いので、教えていただく姿勢で接しています。
ただ、受け身ということではなく、自分の得意分野や知識はしっかり提供する。お互いにリスペクトを持ってやり取りをしたいと考えています。社内でも同じで、上司や後輩、他部署の人にもまずは「尊敬」を持って接するようにしています。

―相手が自分とは違う考えや得意分野を持っていることを前提に、聞く姿勢を大切にされているんですね。
そうですね。自分より得意なことを持っている人はたくさんいますから。僕はどちらかというと聞く側になりがちです。それが良いことかは分かりませんが、そうやって相手の話を聞くことで得られることが多いと思います。
―建築家さまとのやり取りでも、その姿勢が表れていますか?
はい。工事の内容を決めたり、スケジュールを調整したり、こちらから伝えなければならないことももちろんあります。でも、建築家さまからの提案や要望は一度すべて受け止めるようにしています。たとえ施工上難しいと感じても、まずは話を聞く。そこからどうすれば実現できるかを考えます。

―「NO」とは言わないようにしているということですか?
そうですね。ただ、物理的に難しい場合はきちんと伝える必要があります。その際も一方的に否定せず、上司や先輩に相談して、どうすれば形にできるかを考えます。まだ知識や経験が足りない分、そこは学びながらです。
―NENGOで初めて現場を担当された「プローテ二子玉川」では、どのような仕事をされたのですか?
※「プローテ二子玉川」は、10年ほど前にNENGOが1棟まるごとリノベーションを行った賃貸マンションです。
全戸の間取りや仕様がほぼ共通していたため、設計士を入れず、既存図面をもとに現場で判断しながら進めるという少し特殊な体制でした。
上司の吉﨑さんと二人三脚で、現場をひとつずつ確認しながら工事を進めました。例えばトイレの寸法など、実際に測って狭ければ仕様を変更するなど、細かな確認を積み重ねていきました。

―そうした丁寧な確認作業にも、阿部さんの姿勢が表れていますね。もともと「下から行く」という考え方は、どういうきっかけで身についたのでしょうか。
NENGOに入社してまだ日が浅いこともありますが、前職から含めて現場監督として6年働くなかで自然と身についた感じです。わからないことだらけの社会人1年目に、敬意を持って質問したときの方が、相手が気持ちよく答えてくれると気づいたんです。表情も柔らかくなって、話も前に進む。そういう経験の積み重ねですね。
―敬意を持つことで、相手から良い答えが返ってくることを実感されたんですね。
そう思います。人と話すときは、特に目線の高さを意識しています。座っている人と話すときは、自分も同じ高さになるようにして。上から話すのが嫌なんです。
―目線を合わせるだけで、相手も「自分に向き合ってくれている」と感じますよね。
はい。少し硬い言い方をすれば「敬意」ですが、誰に対してもそれを大事にしています。
―同じ部署の方から、「阿部さんにはっとさせられる瞬間がある」と伺いました。忙しいときに「お昼行かないの?」と声をかけられて救われた、と。
たぶん僕がお昼に行きたかっただけだと思います(笑)。
―(笑)でもその一言が、相手の気持ちを軽くすることもありますよね。
そうかもしれません。意識していなくても、結果的にそうなっていたのかもしれません。
―最後に、阿部さんが仕事を通して大切にしている「敬意」とは、どんなものだと思いますか。
かっこよく言えば「敬意を払うこと」ですが、無理して意識しているわけではないです。自然とそうしている、というのが正しいかもしれません。あとは単純に、いい休みを迎えたいからというのもあります。今日やることを全部終わらせて、不安なく帰る。そのために段取りを整える、というのが自分の中で大事なことです。
―こだわりを捨てて、区切りをつける勇気ですね。阿部さんの「敬意」は、仕事の仕方にも時間の使い方にも通じているように感じました。ありがとうございました。
[編集後記]
阿部さんの「敬意」は礼儀や上下関係の話よりもむしろ、相手と誠実に向き合う姿勢そのものでした。相手の話をまず聞く。その小さな積み重ねが、現場の信頼関係をつくっていくのだと感じました。
NENGOが大切にする「ism(イズム)」とは?
NENGOのism(イズム)とは、会社として掲げる理念や行動指針だけではなく、社員一人ひとりが大切にしている想いの集合体です。「自分はどう在りたいのか」「何を大切にして仕事をしているのか」という問いへの答えの積み重ねが、NENGOという会社の個性をつくっています。
NENGOスタッフの「ism(イズム)」を聞く、スタッフインタビュー公開中。
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