自分の人生の使い方を問いながら、組織や仕事と向き合う<br>NENGOスタッフインタビュー#4
2025.10.03

自分の人生の使い方を問いながら、組織や仕事と向き合う
NENGOスタッフインタビュー#4

PROJECT

NENGOスタッフが働く上で大切にしている“ism(イズム)”を聞く、NENGOスタッフインタビュー。
今回お話を伺ったのは、事業管理部の若林裕人さん。
会計業務、総務や情報システムといった社内環境整備にて、NENGOスタッフを支えるバックオフィス業務を担当されています。

若林裕人 事業管理部 2019年入社


―では早速ですが、若林さんが仕事をするうえで考えていることはなんですか?

そうですね。よく「適材適所」って言うじゃないですか。でも何かの本で「適所適材」と逆の言い方をしている人がいたんです。それを読んだ時に、日本的な考え方と欧米的な考え方の違いみたいなものを感じました。適材適所は日本風で、適所適材はジョブ型に近い欧米的なものなのかなって。
ただ、日本か欧米かってことよりも、組織って難しいなと感じたんです。

たとえばレンガをきっちり並べた壁は美しいけど、意外と脆いかもしれない。逆に石垣みたいに、調達できた石をうまく組み合わせて隙間なく積んでいくと、ものすごく強度が出る。その話を聞いて、組織に重ねて考えたんですよね。

―篠田真紀子さんの話じゃないですか?

出どころを正確には思い出せないのですが(笑)。理想的には石垣型なのかもしれない。ただ、ひとつピースが外れた時にすごく脆くなるんじゃないか、とも思うんです。そこにまた別の人をはめ込むのは、無理がある部分もあるなと。

―なるほど。それは若林さんが何を大事にしているから、そういうふうに感じるんでしょうね。

最終的には個人的なところに帰結する気がします。仕事ってつらいもの、嫌なものって一般的に言われたりもするけど、一方で「やりたいことをやろう」とか「自分を肯定しよう」という風潮もある。私も前職ではかなり長時間働いていて、ほとんど家にいなかったんです。家族と話す時間もほぼなかった。それで転職を機に見直したんですが、ただ時間を減らせばいいという話でもなくて。組織の中でどう貢献できるのか、成果をどう上げていくのか…その答えを探す中で、組織論に関心が向いているのかなと。

―仕事に没頭すると成果が出る。でもプライベートを考えると成果はどう出すのか…そんな迷いにも聞こえました。

没頭=成果、とは思っていなくて。没頭の時間って、半分は自己満足だと思うんです。プライベートならいいんですけど、仕事における没頭は感覚的に違う。実際、ひたすら時間を費やして働いていた時期は「自分がいない」という感覚があったんです。仕事って多くは自分じゃなくても誰かができる。そこに自分の人生を全部費やすのは違うなと。

―究極的には「自分の人生の使い方」というテーマに行き着くんですね。

そうですね。それが今の考えのスタートだったと思います。

―ではあえて聞きます。仕事とは何でしょう?

断言できるほどの厚みはないですが(笑)。自分にとっては「ポートフォリオ」の一部かなと思います。もちろん収入を得る手段ではあるけど、それだけじゃない。達成感や役割を感じる場でもある。もし一生困らないほどのお金があったとしても、何かしら仕事はする気がします。

―若林さんが描くポートフォリオとは、どんなイメージですか?

極端な話ですけど、もし何も制約がなければ、半分はボランティアだと思います。残りの4分の1は家族、そして最後の4分の1は完全に自分だけの時間。理想はそんなバランスですね。

―面白いですね。そのボランティアについても聞かせてください。


本社前の道路で清掃活動をする若林さん。
若林さんはじめ事業管理部メンバーが主体となり、毎週金曜日の朝はスタッフ全員で清掃活動を行っている。

ちょっと偏見があるかもしれませんが、ボランティアや社会貢献って、結局は自分のためなんですよ。誰かにメリットがあるとしても、原動力は「自分がやりたいから」。だから結局、全部の根っこは自分なんです。でも、自分だけの世界に閉じこもるのもつらい。だからこそ多少は周囲に良い影響を与えたいし、そのために時間を使いたい。

―ただしそれも「自分がやりたいからやる」という点で重なる。

そうですね。社会を変えようというほどではなく、まだ自分の満足感の方が強いと思います。

―経営者も最終的には好みで判断しなければならない局面もあり、「経営者の仕事は悩むことだ」という話もありますよね。結局、どっちを取っても正解はない。その中で意思決定する。そう考えると、若林さんも自分の人生を経営しているんだなと思いました。

少なからず、誰しも自分自身の経営者なんだと思います。

―そうですよね。でも悩みに向き合うのは大変で、経営できることが当たり前ではない。そんな中、若林さんはそこにちゃんと向き合っているなと感じました。今日はありがとうございました。


NENGOが大切にする「ism(イズム)」とは?

NENGOのism(イズム)とは、会社として掲げる理念や行動指針だけではなく、社員一人ひとりが大切にしている想いの集合体です。「自分はどう在りたいのか」「何を大切にして仕事をしているのか」という問いへの答えの積み重ねが、NENGOという会社の個性をつくっています。


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