【NENGOスタッフインタビュー】<br>色を愛でる心、ときめきを伝える仕事
2025.12.04

【NENGOスタッフインタビュー】
色を愛でる心、ときめきを伝える仕事

PROJECT

NENGOスタッフが働く上で大切にしている“ism(イズム)”を聞く、NENGOスタッフインタビュー。
今回お話を伺ったのは、PORTER’S PAINTS JAPANの小野仁美さん。
塗料/サンプル製造を行う調色士(ティンター)、一般のお客さまに色提案を行うカラーリストの業務を中心に、ポーターズペイントの魅力を伝える仕事に取り組まれています。

小野仁美 PORTER’S PAINTS JAPAN 2023年入社


―では早速ですが、小野さんが仕事をするうえで大切にしていることはなんですか?

やっぱり「色」ですね。社内でも最近は、洋服とか持っている物からカラフルで色情報が多い人として定着しつつある気がします。「今日は青いですね」とか「今日はモノトーンですね」と突っ込まれることもあって、それがすごく嬉しいです(笑)。

―どうやって、毎日服の色を決めているんですか?

気分で選んでいます。パッと目に入ったものとか、柄とのバランスとか。引き出しを開けて、目が合った子を選ぶ感じです。お気に入りのアイテムは短いサイクルで登場していて、すり減りつつあるくらいです(笑)。

―毎日が一目惚れみたいですね。

そうですね。髪の毛の色も明るくて、お客さまから「素敵な髪色ですね」と言っていただけることもあります。好きなだけでなく、自分に似合う髪色や服の色も意識しています。

仕事では、ただ塗料を売るモノ売りではなく、体験や価値観を伝えるコト売りを大切にしています。私は色を提案する仕事をしているので、「この人に色を選んでもらったら正解かも」と思ってもらえるように、まずは見た目から信頼してもらえることを意識しています。身なりや配色をセンスよく整えることが、最初の印象をつくると思っています。

―なるほど。色が小野さん自身に与えている影響って、どんなところにありますか?

お店に行っても、つい壁の色を見てしまいますし、色のあるものを手に取ってしまいます。自分の部屋にもポーターズペイントを塗っていて、一番好きな色に囲まれて寝て起きると、気持ちが上がりますね。でも、昔から色にこだわっていたわけではなかったんです。

―それは意外ですね。小さい時から色ものがお好きなんだと思っていました。

はい。色を意識し始めたのは大学に入ってからです。色彩の勉強を始めて、自分に似合う色や組み合わせを考えるようになりました。

ポーターズペイントで働くようになってからは、その意識がさらに強まりました。1日の大半をアトリエでの材料製造に費やしていて、色を愛でる時間がとても多いんです。アルバイトさんと「この配色かわいいね」「この色は何色だよね」と話す時間が、すごく好きでした。そういう愛でる時間が、色をより好きになったきっかけかもしれません。

―「愛でる」って言葉が最高ですね。その中でも、どんな瞬間に一番ときめきますか?

色を組み合わせる瞬間ですね。ピタッとはまった時に「これだ!」と思える瞬間がたまらないです。
自宅も、黄色の壁にオレンジの椅子を置いているんですけど、その組み合わせを見たときは「天才かも」って思いました(笑)。服のコーディネートでも同じで、色と色を組み合わせるのが好きなんです。

―王道の配色理論とか、色相環に基づいた組み合わせを意識しているんですか?

理論的に考えることもできますが、直感を大切にしています。ビビッときた組み合わせが、あとで理論的にも理にかなっていることが多いですね。
色彩の勉強をしてきた分、ロジックは自分の中に自然とインプットされていて、直感と理論がうまく共存している感じです。

―これまでで「ベスト・オブ・配色」はありますか?

やっぱり自分の部屋ですね。黄色の壁にオレンジのスツール、その横に青いランプを置いていて、どの組み合わせも最高です。私は原色と原色の組み合わせが好きで、毎回ビビッとくるんです。壁との相性を想像しながらインテリアを探す時間も楽しくて、部屋の中は全部「最高」で埋まっています。

 
ご自宅の壁・スツール・ランプ。
ポーターズペイント:SUNDANCE(サンダンス)

―話を聞いているだけで楽しそう。ルイス・バラガン邸を思い出しました。あれも原色が美しい建築ですよね。気候とか、光の入り方も色に影響すると思いますか?

すると思います。私の部屋は南向きで、朝日がとても綺麗に入るんです。その朝日が当たる面を黄色に塗っていて、部屋全体が明るくなる。最高の目覚めです。……起きられない日もありますけど(笑)。

でも結局は、自分が好きな色が一番大切だと思います。自分が好きな色は、自分に一番似合う色。大好きな黄色で朝を迎えると、やっぱり色は人を元気にしてくれるなと感じます。

落ち着いた色が好きな方も多いですが、ポーターズでは白ひとつとっても何色もあります。そういう絶妙なニュアンスを、ロジックに頼りすぎずに提案していく。その過程でお客さまに納得してもらえるときが、一番うれしいですね。

―お客さまの好きな色って、初めは分からないと思うんですが、どうやって探っていくんですか?

そうですね。私のように、好きな色を部屋に塗りたいという方は少なくて、多くの方は床や天井、家具などとの調和を考えます。なので、まずはそうした情報を丁寧に伺います。「どんな雰囲気のお部屋をイメージされていますか?」と。

そうして何色か提案していくうちに、「この方は赤み系が好きなんだな」「黄み系が好みなんだな」といった傾向が見えてくる。そこに、これまで3年間で培ってきた色の情報を重ねて、お客さまの感性と空間の素材感がぴったり合う色を提案していくんです。色選びは迷われるところですが、一番楽しい時間でもあります。ぜひ楽しんでほしいなと思います。

―ありがとうございます。今回お話ししてみて、いかがでしたか?

皆さん、もっと色を着てほしいですね。色を身にまとうことで、気分って勝手に上がっていくものだと思います。キラキラした色を着ている人が下を向いて歩いている姿って、あまり見ないですよね。色には自然と元気にしてくれる力があると思うんです。落ち込んだときこそ、色ものを取り入れてみてほしいです。

―そうですね。私も明日、色ものを着ようかな。頑張らなきゃいけないことがあるんです。

ぜひ。靴下に取り入れるだけでも、気分が変わりますよ。

―なるほど。やってみます。小野さん、本日は色についてたくさんのお話をありがとうございました。


NENGOが大切にする「ism(イズム)」とは?

NENGOのism(イズム)とは、会社として掲げる理念や行動指針だけではなく、社員一人ひとりが大切にしている想いの集合体です。「自分はどう在りたいのか」「何を大切にして仕事をしているのか」という問いへの答えの積み重ねが、NENGOという会社の個性をつくっています。

NENGOスタッフの「ism(イズム)」を聞く、スタッフインタビュー公開中。

アーカイブはこちら
>>NENGO工務店 石田綾野 │ 2mmの想像力で、快適をつくる。
>>PORTER’S PAINTS JAPAN 播本直樹 │ 色の奥にある魅力を見出し、暮らしつくりを楽しむ仕事
>>地球防衛隊 服部弘考 | 他人とのかかわりの中で、自分を改め続ける。
>>事業管理部 若林裕人 | 自分の人生の使い方を問いながら、組織や仕事と向き合う。
>>NENGO工務店 阿部圭太郎 | 「敬意を持って接する」ことから始まる仕事