【目黒区 Y邸】
~物件探しからリノベーションまでをお手伝いした事例です~
このご自宅は、室内に目を向けると木・塗装・畳といった誰もが心休まる要素が散りばめられています。
構造上、心地よい南側の空間には「パイプスペース」と呼ばれるタワー状の箱があります。
これは不動産を見学している頃から分かっていたことですが、
上下階の皆が使っているものですので、不要だから壊すという訳には行きません。
物件によって様々な箇所にあるこのパイプスペースは、言ってしまえば個体差のある「特徴」
何でこんなところに…と嘆くのではなく、特徴は特徴として活かしてあげる事が必要なのです。
今回は、このタワーをシンボル的に空間のコアに配置し、
その周囲360度の内3/4をパブリック(リビングダイニング)空間として利用し、残り1/4を小上がり空間として、
来客時は旅館的な使い方ができ、春はそこから夜桜を楽しめる仕様にしました。
畳は最近とても減ってきていますが、実はとても気持ちのいい建材。
温泉旅館の畳の上で、「あぁ、気持ち良い」ってゴロゴロする事、実はありませんか?
この空間でも全く同じです。
イスで過ごす事も可能ですが、お酒が少し強く入ってきた時間帯には少し体を横にしたい。
そんな人間の摂理的な現象を優しく受け止めてくれる構成です。