【世田谷区 K邸】
-新築からの方向転換-
この物件のお施主さんは、当初は新築マンションを検討されていました。
ご兄弟の間でも「『普通に』新築でしょ。」という考え方が規定路線。
家づくりを考えるとなると、「新築」という定説が日本には存在するのです。
そんなお施主さんが中古マンションリノベーションを選ばれた理由は、とてもシンプル。
「経済的にも精神的にも豊かに暮らせる」事が分かったから。
中古マンションのリノベーションを選択したことで生まれる経済的なゆとりをレクレーション用途に使えれば、
「より豊かに暮らせるのではないか?」と思われたのです。
物件選びの際には、物件固有の管理状態・過去の修繕状況、地盤の情報、エリアの犯罪率から夜の街の雰囲気まで、
きちんと調べた上で納得されて、中古マンション×リノベーションという選択肢を選ぶ事ができたのです。
-室内だけが家ではない-
この物件の特徴。それは何と言っても62㎡あるルーフガーデン。
物件を見学した当時に「可能性を秘めた余白空間」として捉える事が出来たのは大きな方向性でした。
当初はまだ詳細なイメージはありませんでしたが、
要望をヒアリングしていく中で徐々に緑視率が高い状態になっていきました。
お引渡し時が完成ではなく、徐々に成長していく家。
今ではNYのハイラインの一部を切り取ったかのような、緑と余白が入り混じった最高の空間になりました。
そして、室内とルーフガーデンをつなぐ緩衝帯には「縁側」を設えました。
マンションに縁側という概念は薄いかもしれませんが、ここが実はこの家の一等席。
夏はビールで夕涼み、冬はあたたかいスープで暖をとる。
夫婦が縁側に腰掛けて、沈んでいく夕日を見ながら語り合う。
そんな日常の光景が、ここでは一層輝いて映ります。
室内は、風通しに徹底してこだわって動線・間取り構成を計画しました。
それぞれのお部屋は、プライバシーを保ちながら緩やかにつながり、家族の気配を感じることができます。
また、断熱対策として発砲ウレタンを施し、アクティブな冷暖房機器に依存しない生活を実現しています。