暮らしの”ふつう”を叶える賃貸リノベ
土間と畳のある部屋

リノベーション時にプロデュース、その後賃貸管理をしている、高津区二子新地の賃貸マンションの1室。築年数は38年。バブル絶頂期に直前に建てられ、現在までの街の変遷を見届けているマンションです。
家は仕事で疲れて帰って、寝るところ。そんな生活から卒業できるのが、この１部屋かもしれません。仕事も趣味も、暮らしのメイン基地に。１日中過ごしていても居心地の良い部屋。そんな当たり前のようで、意外と賃貸では難しい暮らしの”ふつう”を目指しました。

暮らしの”ふつう”
ポイント①土間スペースはDIY可能

玄関ドアを開けると現れる、モルタル仕上げの「土間スペース」。
玄関は人ひとり立てるくらいのスペースが一般的なところ、約6.2帖の土間スペースにすることで、広々とした気持ちの良い空間にしました。ここで環境を整え在宅ワークをするも良し、アトリエにしてものづくりをするも良し、工房にして自転車をレストアする趣味の時間にするも良し。壁と天井は塗装下地用クロスが貼られており、住まい手さんが空間にマッチする色を塗ることが可能です。

ポイント②新築分譲並みの断熱性能※ZEH相当

賃貸の物件探しで検索ができない項目の１つに「断熱性能」があります。この部屋は、窓にペアガラス+二重窓を設置し、最終的に仕上げの裏側に隠れる「断熱改修」の工事もしっかり行っています。温熱計算シミュレーションも行い、新築分譲等でよく指標になる「ZEH」相当の基準をクリア。夏に暑くない、冬に寒くない”ふつう”の住まいに。温熱計算も実施し、断熱性能5相当を実現しています。

ポイント③上質でこだわりのある建材

床は無垢フローリングを選択。
畳は、このマンション近く大山街道沿いにある歴史ある畳屋さんに制作していただきました。古くから街道として栄え、江戸期には大山詣など多くの人が行き交った、歴史を家の中にも取り込み、地続きで感じていただけます。
LDKの壁と天井にはポーターズペイントを全面に使用しています。
和室の壁は、ポーターズペイントの和の色シリーズ「納戸色（なんどいろ）」を選択。日本の伝統色です。人工照明のない時代に日本人が暗がりの中に見出した色とでも言いましょうか、陰翳礼讃な世界。また深めの青系は安眠効果もあり寝室、ヨガなど、マインドフルネスな使い方にピッタリです。

「風通し」のお話し。

間取りは、ほとんど変更していません。間取りの大幅な変更は、図面上で変化があるため、つい変更したくなりますが、コストアップしやすい要素の1つでもあります。
今回の変更箇所は、玄関側の部屋の扉とリビングまでの扉をなくした点のみ。広々しつつ、適度に分かれた空間は使い勝手がよいです。
ポイントは、ほとんど間取りに手を加えていないにも関わらず「風通し」が格段によくなったことです。気持ちの良い季節は風を通して四季の変化を感じる、そんなお部屋です。

「街」のお話し。

なんと言っても「多摩川」が近いのが特徴です。長時間、在宅で仕事をがんばった後は、気分転換に広い河川敷を眺めに散歩したり、週末はサイクリングに最適をしたりすることもできます。
また江戸時代の大山詣りの道として盛んに利用された「大山街道」はこのエリアの背骨です。江戸時代から続く昔ながらのお店もありますが、今時のカフェやレストランも多くあります。住んでからの探索が日常になるかもしれません。
二子新地のあたりはアーティストを生む土地でもあります。日本初の人間国宝である「濱田庄司」氏、そして”芸術は爆発だ”で有名な「岡本太郎」氏。通勤等のアクセス面、二子新地駅も田園都市線で渋谷まで１本、半蔵門線にも直通でとっても便利ですが、多摩川を渡った先の二子玉川駅からは、大井町線が出ていますので、東急沿線エリアを住みこなすことができます。二子玉川の街の魅力は言わずもがな、東急百貨店あり、映画館あり、二子新地のどこかゆったりしたローカルな暮らしに、様々なアクセントを与えてくれるはずです。