建築家さまより
ご夫婦と小さなお子さん2人のための住まい。周りを緑に囲まれたマンションの一室で窓からは桜や紅葉の木々を目の前に望むことができる。その景色を効果的に室内に取り込むため、窓辺にヌックと呼ばれる厚みのあるベンチ兼収納をつくり、景色を額縁のように切り取る設えとした。また、景色を眺めながら料理を作ったり家族と語らう場となるよう、独立型の調理台を窓の正面に配置しキッチンが家の中心となりそこに家族が集う場所としている。
子供室2室はキッチンの背後に配置し、子どもが小さいうちは3連の引き戸を開け放して使うことで、空間を広く使えるとともに回遊性のあるプランとした。また扉を閉じ個室として使う際にも奥の部屋に光が入るよう、上部はすりガラスの開口としている。
素材は床や家具にタイルを多く使用している。海外での暮らしのご経験のあるご夫婦はタイルや石の素材の使いやすさや質感の良さを体感されており、さまざまなタイル素材の中から暮らしに合うものを一緒に決めていった。床は玄関土間から連続して同じタイルとすることで、掃除がしやすいとともに、空間が連続し広がりを感じられるようになっている。