津田山の家プロジェクト<br/>解体を行いました
2021.11.24

津田山の家プロジェクト
解体を行いました

PROJECTお知らせ

ー日本で初の女性建築家 浜口ミホ設計による築55年の住宅。
街の読み込み、リノベーション工事まで継承者へのバトンタッチを行うことになりました。

 

 

NENGOという会社では、その街で長く住まうためには、
街の未来、街と住宅との関係性が大切だと考えています。
当プロジェクトを通して、NENGOが行っている仕事や考えていることをお伝えしてゆきます。

記事一覧
【PROJECT】津田山の家プロジェクト
②【PROJECT】津田山の家プロジェクト解体を行いました※当記事
【PROJECT】津田山の家プロジェクト断熱工事を行いました
④【PROJECT】津田山の家プロジェクト内装工事のようす
⑤【PROJECT】津田山の家プロジェクトポーターズペイント施工レポート
⑥竣工写真、beforeafter


2021年10月31日に内部の解体工事が完了しました。

解体に立ち会ったNENGO工務店のマネージャー吉﨑に、
現場のようすや感想を伺いました。

 

ー「実際に解体して驚いたことは、目立った老朽化がなく比較的綺麗な状態だったということです。」

 

築55年の木造建築にも関わらず、大きな漏水や腐敗がなかった理由は、
設計をした浜口ミホ氏のこだわりからではないかと考えます。

 

「この建物は水にこだわりのある設計がされています。
軒(屋根の外壁の線から外に突出した部分)が深く、雨から建物を守る構造であること。」
「また、解体に立ち会って気づいたのですが、小さい窓にも一つひとつ水切りがついており、
雨水など伝い水による汚れも防止しています。」

 

「また、建物全体で見ると、いわゆる高床式倉庫のような
地下1階がRC構造、2階、3階が木造の建築であることも理由のひとつかもしれません。
地面から吸い上げる水分を遮断し、家を守る構造になっています。」

 

 

「以前のお施主さんの要望された”山小屋のようなイメージ”というコンセプトが
自然とこの建物をそうさせたのかもしれません。」

 

ー予想よりも綺麗な状態であったという津田山の家。
リノベーションし、継承していくにあたっての課題点は?

 

「この建物を継承していくにあたっての課題は、やはり断熱です。
断熱が足りないと夏は暑く、冬は寒くなります。
開口部が多く、またこれは建設当時のことを考えると仕方ないですが、
基礎も通気パッキンであること、壁が薄いこと。物理的に外との印象がとても近い建物なんです。」

 

 

ーどうやって断熱を行いますか?

「壁は断熱工事を行いますが、サッシ(窓枠として用いる建材)は今は製造終了しているメーカーのものが使われています。新しくすればもちろん断熱になりますが、当時の歴史である、古き良き大切な要素です。まだ決まっていないですが、可能な限り残していきたいです」

 

「何でも新しくするのはリノベーションではないと思っています。
浜口氏が設計した建物の要素をリスペクトして、可能な限り残していきたい。
そもそものポテンシャルがとても高い建築物なんです。
今、築55年。作り変えるのではなく、今後新たな住まい手と何十年生きていくために、
”整える”ということなんだろうと考えています」

 

「解体が終わって、建築と住まい手を読み込んで、双方の落とし所を考えていくフェーズになりました。
どうしても寒いものは寒いですし。例えば冬は着込む、など。暮らし方(ソフトな面)での解決法も考えます。

 

それこそ、NENGOのミッションである気候、風土、歴史、文化を読み込んで、
土地に馴染んでいける暮らし方をご提案していこうと思います。」

 

解体を経て、津田山の家の価値や意匠をさらに捉えることができたかもしれません。
次回、現時点では一番難しいポイントだという「断熱」について、
耐火被覆・断熱工事事業を手掛ける地球防衛隊のマネージャー・沼尻氏にお伺いします。

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