ー日本で初の女性建築家 浜口ミホ設計による築55年の住宅。
街の読み込み、リノベーション工事まで継承者へのバトンタッチを行うことになりました。
当プロジェクトを通して、NENGOが行っている仕事のようすをお伝えしてゆきます。
断熱工事のあとも、着々と工事が進んでいます。
現場のようすをお届けします。
記事一覧
①【PROJECT】津田山の家プロジェクト
②【PROJECT】津田山の家プロジェクト解体を行いました
③【PROJECT】津田山の家プロジェクト断熱工事を行いました
④【PROJECT】津田山の家プロジェクト内装工事のようす※当記事
⑤【PROJECT】津田山の家プロジェクトポーターズペイント施工レポート
⑥竣工写真、beforeafter
壁やフロリーングは張り替えが終わり、撮影に行った日は配線工事をする前の段階でした。
壁や床には石膏ボードと、木材(ベニヤ)の2種類が使われています。
「ベニヤの裏に構造補強として金物や柱が追加されており、これらとベニヤを合わせて構造補強壁という扱いになっているため、石膏ボードとベニヤの2種類を使い分けています。
設備配管をする上でやむを得ないフカシ壁や一部天井には石膏ボードを用いています。」
ふつうは石膏ボードでつくることの多い壁面も、ベニヤの壁面をを含めた構造補強ということ、加えて木材の厚みが石膏ボードの厚みより0.5mm薄いことから、必要な部分はすべて木材にしたそう。
「別々の素材を使うと厚みが変わるので、美しい壁面にするためこのようなかたちになりました」
断熱工事編でお伝えした、ウレタンフォームが浴槽に。
「浴室はリノベーションの場合でも性能の整ったシステムバスを使うことが主流ですが、今回は在来工法(木造軸組構法、建築構造における木構造の構法のひとつ)で工事しています」
「日本の古い住宅の浴室は、多くが在来浴室です。古い造りの在来浴室では、断熱性が低く浴室内が寒くなりやすい、お湯を何度も温め直さなければならないという特徴があります。今回、少しでも過ごしやすい浴室になればと、断熱工事で使うウレタンを吹き付けました。吹き付けることで入れたお湯が冷めにくくなります。」
「在来工法ではタイルを貼る前の下地の段階で水が排水できるよう、斜面状に仕上げる必要があります。
そのため下地はモルタルやコンクリートで作ることが多いのですが、木で下地を作っています。若干の坂を木造で作る技術力、職人さんの手仕事が光っているポイントです。」
浴室はこのあと防水工事等を施し、タイル地になります。
「もうひとつ職人さんの技術が光っている部分がこちらです」
「既存の柱やサッシはそのままにフローリング材を張り替えていますが、まるでそれがわからないくらい丁寧に張り替えられています。ここまでぴったりと施工するのはかなりの技術が必要で、普通ちょっと隙間が生まれたりします。職人さんはその妥協をせず丁寧に施工してくださいました」
「壁の木材と、巾木(床面に接する壁の下部に取り付ける部材)が組み合わさる角も、とても美しく仕上げてもらっています」
職人さんの高い技術力が光ります。
竣工前でしか見れない内装の内部に宿る、工夫や高い技術力を見ることができました。
リノベーションならではの、新旧の素材が混ざりあう姿はまさに継承をあらわしています。
残せる部分は残して、現代の暮らしに適応した住まいに移りゆく様子です。
リノベーション工事の現場の様子をお届けしました。
次回はポーターズペイントを塗布する前のようすをお届けする予定です。
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